2010/06/30

はやぶさプラモデル(工作開始)

13日の『はやぶさ』の帰還は良かった。


途中色々あって、関係者の頑張りと幸運があって帰ってきて、カプセルを落としつつ燃え尽きていく様の美しさは論理ではないと思う。

これを見てアオシマが出した『はやぶさ』のプラモデルを作っておこうと思い立った。さっと組み立てるつもりだったが、実際に見てみるとそうも行きそうにないのが分かってきた。

1. 細部の問題

基本的に組み立てやすいキットだと思うが、細部を資料と見比べていると気になる点が幾つも出てくる。あまり細部にこだわってもきりがないし、スケール的に省略される部分が出てくるのは仕方ないが、それに留まらない部分もある。

そもそもの問題として、『はやぶさ』実機の正確な情報がなかなか見つかりにくい。
  • JAXAのCGは、細部がかなり適当なので参考にしてはいけない。
  • JAXAの相模原にある実物大模型(熱・構造試験モデル)も必ずしも実機(フライトモデル)どおりではない。
  • アオシマの説明書の塗装指示は当てにならない。
というわけで、できるだけ実機の写真と突き合わせる必要があるが、細部が分かる完成状態の写真はあまり出てないし、サーマルブランケットのせいで分かりにくい部分もある。

気になった点を列挙すると、
  • 化学推進エンジンの形が実機とかけ離れている。
  • イオンエンジン部分の蛇腹がない。
  • イオンエンジン同士の間隔が広い(イオンエンジン自体も少し小さいかもしれない)。
  • 中利得アンテナのホーンが閉じている。
  • 中利得アンテナ(再突入カプセル側のMGA-A)の基部が実機と違う。
  • スタートラッカの位置がずれている(実機ではもっと再突入カプセル寄り)。
  • Xバンドパワーアンプ(スタートラッカの横の白い箱)の形が違う。
  • サンプラーホーンのダクトの形が違う。
  • レーザー高度計(LIDAR)の穴がない。
  • 望遠カメラ(ONC-T)の穴がない。
  • ミネルバが縦に長すぎる(実機では縦横が同じぐらい)。
  • ミネルバケースの形状が八角柱になっている(実機では六角柱に近い)。
正直、アオシマにはもっと頑張って欲しかった気もするが、まさかのプラモデル化に贅沢は言わない方がいいか。それに、自分で手を入れるのはプラモデルの楽しみでもある(程度問題だが)。

2. 工作中

既に作られた方の例を参考にしつつ、とりあえず工作したところまで。

[参考]
さてらいこ.jp: 10日で作る「はやぶさ」探査機
チョー初心者のためのプラモ講座: 小惑星探査機「はやぶさ」の制作
Wしんちゃんドットコム: プラモデル 惑星探査機 はやぶさを購入し組立て
エアロスバルなブログ: はやぶさのプラモを作る
スペース・ハーフムーンblog: はやぶさプラモをつくろう!
プラモ日記: 小惑星探査機 はやぶさ

化学推進エンジン

成形の都合というのは分かるが、そのままでは何か分からないので、ノズルに穴を開けつつ切り離し、覆いの部分は削り込み、後で0.6mmのピアノ線で結合する形にした。この細かい切削作業を12回繰り返すのはさすがに面倒。

中利得アンテナ

ホーンを開口し、欠けている面をプラ板で塞ぎ、基部の穴をパテで塞いだところで、再突入カプセル側のもの(MGA-A)は基部が全然違うことが判明。CGにそっくりな形のものがあるので、それに騙されたらしい。ホーン部分を流用して実物大模型を参考にプラ板で作ってみた(右側)。が、サーマルブラケットのせいで正確な形が分からない。かつ、実機ではもう少し違うように見える。意外な困りどころ。

イオンエンジン

蛇腹を挟むために本体から切り離したところで、イオンエンジン同士の間隔が妙に広いことに気づいた。少し間が抜けて見えるので、十字に切り離し、間を詰めた上で再接着。板全体が小さくなった分、回りにプラ板を足した。中央には一段高くなるようプラ板を重ねる。蛇腹は、試作を繰り返した結果、0.3mmのプラ板を17×16mmに切り、縦横互い違いに重ねてみた。

本体下面(サンプラーホーン側)

サンプラホーンはこのキット最大の難関だと思う。回りのワイヤー状のフレームがないと正確でないが、スケール的に難易度が高すぎる。ダクト部分に入っている筋も、その存在を示すためのものかもしれないが、やはり違う。とりあえずダクト部分にはパテを盛って皺を表現。ただ、実物大模型ではランダムな皺だが、実機では掃除機のホースのように螺旋状の芯が入った形らしい。

レーザー高度計(LIDAR)、望遠カメラ(ONC-T)の穴を開口。ちなみに、LIDARは中心にボスがある。ターゲットマーカは1個落とした状態にしてみた。ミネルバケースは形状の修正を兼ねて半分開いた状態にして、ミネルバを入れてみようかと(実機では存在しない状態だが)。

スタートラッカの基部は移設のため切り離す。ついでに形状をプラ板で修正。実物大模型では箱の上に板が乗った形になっているが、実機では斜めにサーマルブランケットに包まれて四角錐形になっている。その横のXバンドパワーアンプは削り取って広いプラ板に置き換え。実物大模型では単なる箱だが、実機では上の板が少し大きいようなので、そのように。

この調子では、塗装して完成するのはいつのことかという感じだが、とにかくサンプラーホーンが問題。

ちなみに、7月30-31日にはJAXA相模原キャンパス特別公開があるので(『はやぶさ』が持ち帰ったカプセルも展示される)、一度実物大模型を見に行くのもいいかもしれない。

[追記]

相模原キャンパスに行ってみたが、実物大模型はやはり模型然としていて細部の参考になるものではなかった。ただ、想像していたより大きいことは実感できた。