2010/08/13

はやぶさプラモデル(まだ工作中)

エッチングパーツ待ちもあって長期戦になってきたので、タイトルを変更。

1. 太陽電池パドル

パドルの支持架(ブーム)の途中にある桁の位置について、これを確認できる写真があることに気づいた。何のことはない、イトカワに落ちた『はやぶさ』の影のこと。
小惑星探査機「はやぶさ」物語の写真から切り出したもの)

おぼろげな写真だが、桁の位置はパドル寄りであることが分かる。キットの桁もパドル寄りにあるが、実機ではもう少しパドルの方に近い。

さらに「MUSES-C Solar Array Electrical and Mechanical Design」を見ると、パドルの概要図がある。この図のセルの部分に着色すると以下のようになる。

ただし、このセル配置は正確でない。サイドパネルA(格納状態では真ん中にある)については細かい図があるので、これを着色すると以下のようになる。

これは、サイドパネルB(格納状態では一番外側にあるので、実機写真で確認できる)と対称形で一致するので、正確と見なしていいと思う。

問題はセンターパネルで、サイドパネルを参考に想像で補完するしかないが、プラモデル用のエッチングパーツを製作されているAtsDさんがオリジナルキットとして設計中のパドルをfgに上げたものがあるので、参考になると思う。

パドル上に出ているピンについても、同じ資料で正体が分かった。格納時の固定機構の図があるので、これも着色すると以下のようになる。

つまり、本体上にある基台の上に、ブームから伸びた部品、センターパネル、サイドパネルA、サイドパネルBを四段重ねにして固定する構造になっている。これで各パドルを本体にがっちり固定して、打ち上げ時の振動に耐えるということらしい。
  • 格納時には、ロケット鉛筆の中心の芯を抜いたような形の部品を積み重ね、中心の空洞にワイヤーを通し、それで全体を締め付けて固定している。
  • 伸展時には、このワイヤーを基台中にあるワイヤーカッターで切断し、サイドパネルBのピンにあるバネで抜き取る。後は各ヒンジに仕込まれたバネの力で開いていく。
したがって、
  • ピン(固定具)は全てのパネルにある。なお、センターパネルとサイドパネルAの固定具は同じ形だが、開いた後は上下が逆になる。
  • サイドパネルBのピンにはワイヤーをバネで抜き取る機構があるが(詳細不明)、それでピン自体が伸びるということはなさそう。
  • ブームにも桁の横から固定具が出ている。ついでに、ブームの断面は長方形。
  • 本体側面には4本の穴と2本のケーブルがセットになったものが4箇所にあるが、これがこの基台の取り付け部とワイヤーカッター(火工品。冗長性のため2重になっている)の点火ケーブルと思われる。
なお、この固定機構の基台はパドル取り付け前の実機写真には全く写ってない。これは組み立て中はパドルの方に付いていたからだと思われる。盲点だった。JAXAの映像、模型では、唯一1/10模型で再現されている(この模型自体はたいして精緻なものではないので、少し不思議)。

ちなみに、この部分については同じ構造と思われる『はやぶさ2』のCGを見ると、基台がしっかり付いている(オレンジ色の部分)。
宇宙開発委員会 推進部会(平成22年)(第1回)配付資料の「推進1-1-3 はやぶさ2プロジェクトについて(その2)」のCGから切り出したもの)

なお、同じ資料にブームと本体の取り付け部の図もある。これは固定機構と共に実機写真にも不鮮明ながら写っている。
小惑星探査機「はやぶさ」写真集の写真から切り出したもの)

また、ブームの桁の位置を図から計算してみると、以下のようになる。

この図からブームと本体の取り付け部、その横に見える基台、パネルの固定具、ブームの桁とそこから出ている固定具の位置関係も分かる。

以上のように、パネル上の固定具の位置と、ブームの桁の位置、本体上の基台のある位置が、全て関係していることが分かった。そういう目で改めてキットを見ると、パドル上の固定具の位置が全てセル1個分ぐらい横にずれている。こうなるとパドル全体をスクラッチした方が早いような気もするが、どうしたものか。

2. 本体下面

ISASの加藤研究室のギャラリーの写真で、蛍光X線スペクトロメーター(XRS)の位置と形状、広角航法カメラ(ONC-W)の位置が分かったので修正。

ONC-Wの正確な形状は分からないが、取り付け位置の穴の形状から外に出ている部分は円筒形で、長さは側面からの写真にそれと判別できるものが見えないので、かなり短いものと推測した。

XRSは縁から少し離れていることが分かったので、位置をずらしつつ大型化。フラッシュライトの後方の斜め上に突き出した部分も、もっと後ろに伸ばした。LIDARも修正中。

NIRSについては依然情報がない。ファンビームセンサーも回りの機器とのバランス的に小さすぎることに気づいたが、さて。

3. 大利得アンテナの三脚

右後方斜め上からの写真で、自分の勘違いに気づいた。右後方の支柱から張り出した部分は板状だと思っていたが、実際は横幅があるステップのような形状になっている。ついでに、左後方の支柱の張り出しはかなり小さい。

この三脚、傾斜した面ばかりで構成されていて正確な形を掴むのに苦労するが、松浦晋也さんによる実機写真(2002年7月26日のはやぶさ)でやっと全体の形が分かった。これを見ると、前方の支柱には管状の支柱の上に配線用らしき四角の管が重なっている。これをどうするか。

まだ続く。